室町時代の文化(北山文化・東山文化)

室町時代の文化は、北山文化・東山文化です。3代将軍足利義満のころに栄えた、公家の文化と武家の文化が合わさった華やかな文化です。8代将軍足利義政のころに栄えた、禅宗の影響を受けた簡素で落ち着いた文化です。

2026/09/19 更新・ふりがなつき

室町時代の文化の特色

北山文化

3代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつのころに栄えた、公家くげの文化と武家ぶけの文化が合わさった華やかな文化です。金閣きんかくや、観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみが大成した能のうが代表です。

3代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつは京都きょうとの北山に山荘を建て、その中に金閣きんかくを造りました。このころの文化を北山文化きたやまぶんかといいます。幕府ばくふが京都きょうとにあったため公家くげの文化と武家ぶけの文化が合わさり、さらに明みんとの貿易ぼうえきで伝わった中国の文化(禅宗ぜんしゅうの影響)も取り入れられました。金閣きんかくは公家風の寝殿造しんでんづくりと禅宗ぜんしゅうの様式を合わせた建物で、この文化の特色をよく表しています。また義満よしみつの保護のもと、観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみの親子が猿楽さるがくから能のうを大成しました。

北山文化きたやまぶんか東山文化ひがしやまぶんか
時期3代義満よしみつのころ(14世紀せいき末〜15世紀せいき初め)8代義政よしまさのころ(15世紀後半)
代表建築金閣きんかく(鹿苑寺ろくおんじ)銀閣ぎんかく(慈照寺じしょうじ)・東求堂同仁斎とうぐどうどうじんさい
特色華やか、公家くげ+武家ぶけ+禅宗ぜんしゅう簡素・わび、禅宗ぜんしゅうの影響が強い
芸能・芸術能のう(観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみ)水墨画すいぼくが(雪舟せっしゅう)・書院造しょいんづくり・枯山水かれさんすい
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  • 北山文化きたやまぶんか=義満よしみつ・金閣きんかく・能のう(観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみ)
  • 特色=公家くげ文化+武家ぶけ文化+禅宗ぜんしゅう(中国)文化が合わさった華やかな文化
  • 東山文化ひがしやまぶんか(義政よしまさ・銀閣ぎんかく・書院造しょいんづくり・水墨画すいぼくが)との対比が頻出

東山文化

8代将軍しょうぐん足利義政あしかがよしまさのころに栄えた、禅宗ぜんしゅうの影響を受けた簡素で落ち着いた文化です。銀閣ぎんかくや書院造しょいんづくり、雪舟せっしゅうの水墨画すいぼくが、枯山水かれさんすいの庭が代表です。

応仁おうにんの乱らんの後、8代将軍しょうぐん足利義政あしかがよしまさは京都きょうとの東山に山荘を建てて移り住み、銀閣ぎんかくを造りました。このころの文化を東山文化ひがしやまぶんかといいます。禅宗ぜんしゅうの影響を強く受け、金閣きんかくのような華やかさではなく、簡素で静かな美しさ(わび・さび)を大切にしました。銀閣ぎんかくと同じ敷地にある東求堂同仁斎とうぐどうどうじんさいは書院造しょいんづくりの代表で、たたみ・ふすま・床の間など今の和室のもとになりました。雪舟せっしゅうの水墨画すいぼくが、竜安寺の石庭(枯山水かれさんすい)、茶の湯や生け花もこの文化から発展はってんしました。

  • 東山文化ひがしやまぶんか=義政よしまさ・銀閣ぎんかく・書院造しょいんづくり(東求堂同仁斎とうぐどうどうじんさい)・水墨画すいぼくが(雪舟せっしゅう)・枯山水かれさんすい
  • 特色=禅宗ぜんしゅうの影響、簡素、わび・さび
  • 書院造しょいんづくり→たたみ・ふすま・障子・床の間=現代の和室のもと
  • 北山文化きたやまぶんか(華やか・金閣きんかく)との対比

代表的な作品・建物

  • 金閣(鹿苑寺)

    きんかく(ろくおんじ)

    3代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつが京都きょうとの北山に建てた、金ぱくでおおわれた3階建ての建物です。公家風の寝殿造しんでんづくりと禅宗ぜんしゅうの様式が合わさった北山文化きたやまぶんかの代表です。

    関係する人物: 足利義満あしかがよしみつ

    • 建てた人=足利義満あしかがよしみつ、場所=京都きょうとの北山、文化=北山文化きたやまぶんか
    • 寝殿造しんでんづくり・書院風・禅宗様ぜんしゅうようの三つの様式が重なる→公家くげ+武家ぶけ+禅宗ぜんしゅうの文化
    • 銀閣ぎんかく(義政よしまさ・東山・簡素)との対比が頻出
    年表で見る読みもの: 金閣と銀閣のちがい
  • 能

    のう

    面をつけた役えき者が、うたいと舞で物語を演じる日本の古典劇です。庶民しょみんの芸能だった猿楽さるがくを、観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみの親子が足利義満あしかがよしみつの保護のもとで芸術に高めました。

    関係する人物: 観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみ・足利義満あしかがよしみつ

    • 大成した人=観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみ、保護した将軍しょうぐん=足利義満あしかがよしみつ、北山文化きたやまぶんか
    • もとになった芸能=猿楽さるがく・田楽でんがく
    • 能のう(まじめな歌舞劇)と狂言きょうげん(こっけいなせりふ劇)の区別
    年表で見る読みもの: 能と狂言のちがい
  • 狂言

    きょうげん

    能のうの合間に演じられる、せりふ中心のこっけいな劇です。当時の話し言葉で庶民しょみんの暮らしをおもしろく描き、大名だいみょうや僧そうをからかう内容もあります。

    • 能のうの合間に演じられるこっけいなせりふ劇
    • 当時の話し言葉で庶民しょみんの生活を描く→室町時代むろまちじだいの人々の様子がわかる
    • 能のうと狂言きょうげんをあわせて能楽(無形文化遺産)
    年表で見る読みもの: 能と狂言のちがい
  • 東求堂同仁斎(書院造)

    とうぐどうどうじんさい(しょいんづくり)

    足利義政あしかがよしまさが銀閣ぎんかくと同じ敷地に建てた東求堂とうぐどうの中にある、四畳半よじょうはんの書斎しょさいです。たたみ・ふすま・障子・床の間・ちがい棚をそなえた書院造しょいんづくりの代表で、今の和室のもとになりました。

    関係する人物: 足利義政あしかがよしまさ

    • 書院造しょいんづくりの代表、建てた人=足利義政あしかがよしまさ(東山文化ひがしやまぶんか)
    • 書院造しょいんづくりの特ちょう=たたみ・ふすま・障子・床の間・ちがい棚・付書院
    • 寝殿造しんでんづくり(平安時代へいあんじだい・貴族きぞくの住まい)との対比、今の和室のもと
    年表で見る読みもの: 金閣と銀閣のちがい
  • 銀閣(慈照寺)

    ぎんかく(じしょうじ)

    8代将軍しょうぐん足利義政あしかがよしまさが京都きょうとの東山に建てた2階建ての建物です。金閣きんかくとちがって銀ぱくは貼られておらず、簡素で落ち着いた東山文化ひがしやまぶんかの代表です。

    関係する人物: 足利義政あしかがよしまさ

    • 建てた人=足利義政あしかがよしまさ、場所=京都きょうとの東山、文化=東山文化ひがしやまぶんか
    • 銀ぱくは貼られていない、2階建て(金閣きんかくは3階建て)
    • 同じ敷地の東求堂同仁斎とうぐどうどうじんさい=書院造しょいんづくりの代表
    年表で見る読みもの: 金閣と銀閣のちがい
  • 御伽草子

    おとぎぞうし

    室町時代むろまちじだいに作られた絵入りの短い物語です。「一寸法師いっすんぼうし」「浦島太郎うらしまたろう」「ものぐさ太郎」など、庶民しょみんを主人公にした親しみやすい話が多く、今も昔話として伝わっています。

    • 室町時代むろまちじだいの絵入りの短編物語、例=一寸法師いっすんぼうし・浦島太郎うらしまたろう・ものぐさ太郎
    • 庶民しょみんが主人公→庶民しょみんが文化の担い手になった室町時代むろまちじだいの特色
    • 平安へいあんの『源氏物語げんじものがたり』(貴族きぞく)、鎌倉かまくらの『平家物語へいけものがたり』(武士ぶし)との対比
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  • 秋冬山水図

    しゅうとうさんすいず

    雪舟せっしゅうが描いた水墨画すいぼくがの代表作で、秋と冬の山の景色を2枚で表しています。力強い線で岩や山を描いた、日本の水墨画すいぼくがの完成かんせいを示す作品です。

    関係する人物: 雪舟せっしゅう

    • 作者=雪舟せっしゅう、種類=水墨画すいぼくが、東山文化ひがしやまぶんか
    • 水墨画すいぼくが=墨の濃淡で描く、禅宗ぜんしゅうとともに中国から伝わった
    • 国宝、東京国立博物館所蔵
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  • 連歌(新撰菟玖波集)

    れんが(しんせんつくばしゅう)

    和歌わかの上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を何人かで交互によんでつなげていく文芸です。室町時代むろまちじだいに武士ぶしや庶民しょみんの間で大流行だいりゅうこうし、宗祇そうぎが芸術として高めました。

    • 五・七・五と七・七を何人かでつなげる文芸、室町時代むろまちじだいに流行
    • 代表的な連歌師=宗祇そうぎ(『新撰菟玖波集しんせんつくばしゅう』)
    • 連歌れんがの発句→俳諧(江戸時代えどじだいの松尾芭蕉まつおばしょう)へ発展はってん
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  • 竜安寺石庭(枯山水)

    りょうあんじせきてい(かれさんすい)

    京都きょうとの竜安寺にある、白い砂と15個の石だけで山や水を表した庭です。水を使わずに自然を表す枯山水かれさんすいの代表で、禅宗ぜんしゅうの影響を受けた東山文化ひがしやまぶんかの庭です。

    • 枯山水かれさんすい=水を使わず砂と石で山水を表す庭、禅宗ぜんしゅうの影響
    • 代表=竜安寺石庭りょうあんじせきてい・大徳寺大仙院庭園(東山文化ひがしやまぶんか)
    • 平安時代へいあんじだいの浄土式庭園(平等院)や江戸時代えどじだいの回遊式庭園との区別
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  • 天橋立図

    あまのはしだてず

    雪舟せっしゅうが80歳を過ぎてから、京都きょうと府の天橋立あまのはしだてを実際に見て描いた水墨画すいぼくがです。実在の風景を細かく写した作品で、日本の水墨画すいぼくがの代表作の一つです。

    関係する人物: 雪舟せっしゅう

    • 作者=雪舟せっしゅう、日本の実際の風景(天橋立あまのはしだて=日本三景の一つ)を描いた水墨画すいぼくが
    • 雪舟晩年の作、国宝
    • 日本三景=松島(宮城)・天橋立あまのはしだて(京都きょうと)・宮島みやじま(広島)
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金閣と銀閣

金閣きんかく銀閣ぎんかく
建てた人3代 足利義満あしかがよしみつ8代 足利義政あしかがよしまさ
場所京都きょうと・北山京都きょうと・東山
文化北山文化きたやまぶんか(華やか)東山文化ひがしやまぶんか(簡素・わび)
寺の名前鹿苑寺ろくおんじ慈照寺じしょうじ
階数・特ちょう3階建て、金ぱく2階建て、銀ぱくは貼られていない
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寝殿造と書院造

寝殿造しんでんづくり書院造しょいんづくり
時代平安時代へいあんじだい室町時代むろまちじだい(東山文化ひがしやまぶんか)
住んだ人貴族きぞく武士ぶし・僧そう
特ちょう板じき、庭に池、寝殿しんでんを中心に渡り廊下たたみ、ふすま、障子、床の間、ちがい棚
代表東三条殿など東求堂同仁斎とうぐどうどうじんさい
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能と狂言

能のう狂言きょうげん
内容歴史や伝説をうたいと舞で演じる(まじめ)庶民しょみんの生活をせりふでこっけいに演じる
面面をつけるふつうは面をつけない
大成した人観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみ特定の人物なし
上演能のうの演目の間に狂言きょうげんが演じられる
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文化・宗教のできごと

  1. 1488年加賀かがの一向一揆いっこういっき加賀かが(石川県)で一向宗いっこうしゅう(浄土真宗じょうどしんしゅう)の信者しんじゃたちが守護しゅご大名だいみょうの富樫とがし氏をたおし、その後約100年にわたって自分たちで国を治めました。
  2. 1549年キリスト教伝来きょうでんらいスペインの宣教師せんきょうしフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸し、日本に初めてキリスト教きょうを伝えました。
  3. 1571年延暦寺えんりゃくじの焼き討ち織田信長おだのぶながが、敵対する大名だいみょうに味方した比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじを攻めて焼き払いました。

文化をになった人物

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確認問題

答えを考えてから、問題をタップして答えと解説を確かめましょう。

  1. Q13代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつのころに栄えた、公家くげと武家ぶけの文化が合わさった華やかな文化です。金閣きんかくや、観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみが大成した能のうが代表です。この説明にあてはまる文化を何といいますか。

    北山文化きたやまぶんか

    3代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつは京都きょうとの北山に山荘を建て、その中に金閣きんかくを造りました。

  2. Q23代将軍しょうぐん足利義満あしかがよしみつが京都きょうとの北山に建てた、金ぱくでおおわれた3階建ての建物です。公家風の寝殿造しんでんづくりと禅宗ぜんしゅうの様式が合わさった北山文化きたやまぶんかの代表は何でしょう。

    金閣きんかく(鹿苑寺ろくおんじ)

    足利義満あしかがよしみつは1397年、京都きょうとの北山に山荘(北山殿)を造り、その中心に金閣きんかくを建てました。

  3. Q3面をつけた役えき者が、うたいと舞で物語を演じる日本の古典劇です。庶民しょみんの芸能だった猿楽さるがくを、観阿弥かんあみ・世阿弥ぜあみの親子が足利義満あしかがよしみつの保護のもとで芸術に高めました。この説明にあてはまる古典劇を何といいますか。

    能のう

    能のうは、猿楽さるがくや田楽でんがくといった庶民しょみんの芸能から生まれました。

  4. Q4能のうの合間に演じられる、せりふ中心のこっけいな劇です。当時の話し言葉で庶民しょみんの暮らしをおもしろく描き、大名だいみょうや僧そうをからかう内容もあります。この説明にあてはまる劇を何といいますか。

    狂言きょうげん

    狂言きょうげんは能のうと同じく猿楽さるがくから生まれた芸能で、能のうの演目の間に演じられます。

  5. Q58代将軍しょうぐん足利義政あしかがよしまさのころに栄えた、禅宗ぜんしゅうの影響を受けた簡素で落ち着いた文化です。銀閣ぎんかくや書院造しょいんづくり、雪舟せっしゅうの水墨画すいぼくが、枯山水かれさんすいの庭が代表は何でしょう。

    東山文化ひがしやまぶんか

    応仁おうにんの乱らんの後、8代将軍しょうぐん足利義政あしかがよしまさは京都きょうとの東山に山荘を建てて移り住み、銀閣ぎんかくを造りました。

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