古事記と日本書紀のちがい

ちがい奈良時代文化・くらし

古事記と日本書紀のちがいの要点をまとめたイラスト

古事記は712年に太安万侶がまとめた、神話や物語が中心の日本で最も古い歴史書です。日本書紀は720年に舎人親王が中心となって漢文で年代順に書いた、国の正式な歴史書です。2つをあわせて「記紀」とよびます。

2026/09/20 公開・ふりがなつき

表でくらべる

古事記こじき日本書紀にほんしょき
完成かんせい年712年720年
中心人物太安万侶おおのやすまろ(稗田阿礼ひえだのあれ)舎人親王とねりしんのう
書き方日本語風の文漢文かんぶん・年代順(編年体へんねんたい)
特色神話・物語が中心国の正式な歴史書
年表で「古事記の完成」を見る

見分けるときは、「だれが」「どんな書き方で」の2つを見ます。稗田阿礼ひえだのあれが語った話を太安万侶おおのやすまろが書きまとめたのが古事記こじき、舎人親王とねりしんのうが中心となって漢文かんぶんで年代順に書いたのが日本書紀にほんしょきです。完成かんせいは古事記こじきが先で、日本書紀にほんしょきはその8年後です。

つくられた順に見る

  1. 710年平城京へいじょうきょうに都みやこを移す
  2. 712年古事記こじきの完成かんせい
  3. 713年風土記ふどきをつくる命令めいれい
  4. 720年日本書紀にほんしょきの完成かんせい

古事記こじき・風土記ふどき・日本書紀にほんしょきは、どれも平城京へいじょうきょうに都みやこが移された直後の、奈良時代ならじだいの初めにつくられました。律令りつりょうにもとづく国のしくみが整ったころで、国のなりたちや天皇てんのうの系図を正しく残し、天皇てんのう中心の国づくりを示すねらいがありました。

古事記こじきは元明天皇に差し出され、日本書紀にほんしょきは次の元正天皇のときに完成かんせいしました。奈良時代ならじだいの初めは、元げん明みん・元正と女性の天皇てんのうが続いた時期です。

古事記

天武天皇てんむてんのうのころから、国のなりたちや天皇てんのうの系図を正しく残そうという動きがありました。記おく力のよい稗田阿礼ひえだのあれが覚えていた話を、太安万侶おおのやすまろが文字に書きまとめ、712年に元明天皇げんめいてんのうに差し出したのが古事記こじきです。

神代から推古天皇すいこてんのうまでのできごとを、神話や物語を中心に、日本語の語り口に近い形で書いています。日本で最も古い歴史書です。

年号の語呂合わせ712年

ない(71)、ふ(2)るい記録が。だから古事記こじきにまとめた

日本書紀

日本書紀にほんしょきは、中国の歴史書にならい、漢文かんぶんで年代順(編年体へんねんたい)に書かれた国の正式な歴史書です。天武天皇てんむてんのうの子である舎人親王とねりしんのうが中心となり、720年、元正天皇のときに全30巻が完成かんせいしました。神代から持統天皇じとうてんのうまでの歴史を書いています。

日本書紀にほんしょきは、そのあと国が編さんした6つの歴史書(六国史りっこくし)の最初となりました。古事記こじきとあわせて、古代の歴史を知る基本の資料になっています。

年号の語呂合わせ720年

なにを(720)書いたか日本書紀にほんしょき

同じころの書物と区別する

奈良時代ならじだいには、古事記こじきと日本書紀にほんしょきのほかにも、入試でよく出る書物がつくられました。歴史書・地理書・和歌集わかしゅうの3種類に分けると、取りちがえにくくなります。

奈良時代ならじだいの書物を種類で分ける

  1. 1歴史書:古事記こじき(712年)と日本書紀にほんしょき(720年)
  2. 2地理書:風土記ふどき(713年に元明天皇げんめいてんのうが命令めいれい。国ごとの産物・地名のいわれ・伝説)
  3. 3和歌集わかしゅう:万葉集まんようしゅう(日本で最も古い和歌集わかしゅう。万葉がな・約4500首)

風土記は、元明天皇げんめいてんのうが国ごとに地名のいわれや産物、伝説などを書いて報告するよう命じてつくられた地理書です。いまも残っているのは常陸ひたち・出雲いずも・播磨はりま・豊後ぶんご・肥前ひぜんの5か国分で、ほぼ完全に残るのは出雲いずも国風土記ふどきだけです。万葉集は和歌集わかしゅうで、天皇てんのうや貴族きぞくだけでなく、農民のうみんや防人さきもりの歌も収めています。

入試のポイント

  • 古事記こじき=712年・太安万侶おおのやすまろが編さん・稗田阿礼ひえだのあれが語った内容がもと
  • 古事記こじき(712)と日本書紀にほんしょき(720)の違い:古事記こじきは物語風、日本書紀にほんしょきは漢文かんぶんの正式な歴史書
  • どちらも元明天皇げんめいてんのう・元正天皇のころ、天皇てんのう中心の国づくりを示すために作られた
  • 江戸時代えどじだいに本居宣長もとおりのりながが『古事記伝こじきでん』で研究した(国学こくがく)
  • 日本書紀にほんしょき=720年・舎人親王とねりしんのうが中心・漢文かんぶん・編年体へんねんたい
  • 古事記こじき(712)との違い:日本書紀にほんしょきは国の正式な歴史書(六国史りっこくしの最初)
  • 元正天皇(女性の天皇てんのう)のときに完成かんせい

よくあるまちがい

完成した年と順番を逆に覚える

古事記こじきが712年、日本書紀にほんしょきが720年で、古事記こじきが先です。あいだの713年に、風土記ふどきをつくる命令めいれいが出ています。「古事記こじき → 風土記ふどき → 日本書紀にほんしょき」の順で覚えましょう。

太安万侶と舎人親王を取りちがえる

古事記こじきをまとめたのが太安万侶おおのやすまろ(語ったのは稗田阿礼ひえだのあれ)、日本書紀にほんしょきの中心になったのが舎人親王とねりしんのうです。稗田阿礼ひえだのあれは「語った人」で、書いた人ではありません。

古事記を「国の正式な歴史書」と答える

国の正式な歴史書(六国史りっこくしの最初)は日本書紀にほんしょきです。古事記こじきは神話や物語が中心で、日本語の語り口に近い形で書かれています。日本書紀にほんしょきは漢文かんぶんで、年代順に書かれています。

『古事記伝』を古事記と同じ時代のものと考える

『古事記伝こじきでん』は、江戸時代えどじだいに本居宣長もとおりのりながが古事記こじきを研究して書いた本です(国学こくがく)。古事記こじきそのものは奈良時代ならじだいの書物です。

確認問題

答えを考えてから、問題をタップして答えと解説を確かめましょう。

  1. Q1『古事記こじきの完成かんせい』が起きたのは何年でしょう。

    712年

    古事記こじきの完成かんせい(712年)。稗田阿礼ひえだのあれが語り伝えた神話や天皇てんのうの記録を、太安万侶おおのやすまろが書きまとめて元明天皇げんめいてんのうに差し出した、日本で最も古い歴史書です。ごろ合わせ: ない(71)、ふ(2)るい記録が。だから古事記こじきにまとめた

  2. Q2『日本書紀にほんしょきの完成かんせい』が起きたのは何年でしょう。

    720年

    日本書紀にほんしょきの完成かんせい(720年)。舎人親王とねりしんのうが中心となって、神代から持統天皇じとうてんのうまでの歴史を年代順に漢文かんぶんで書いた、日本で最初の正式な歴史書が完成かんせいしました。ごろ合わせ: なにを(720)書いたか日本書紀にほんしょき

  3. Q3古事記こじきと日本書紀にほんしょきのうち、特色が『神話・物語が中心』なのはどちらでしょう。

    古事記こじき

    古事記こじきの特色は『神話・物語が中心』です。ほかは日本書紀にほんしょきが『国の正式な歴史書』です。

  4. Q4古事記こじきと日本書紀にほんしょきのうち、特色が『国の正式な歴史書』なのはどちらでしょう。

    日本書紀にほんしょき

    日本書紀にほんしょきの特色は『国の正式な歴史書』です。ほかは古事記こじきが『神話・物語が中心』です。

奈良時代の一問一答でもっと解く

つぎのステップ

年代と内容は、教科書・塾教材の記述にそろえた学習用のものです。異説がある年は、年表アプリの項目の中に記しています。まちがいを見つけたらお問い合わせから教えてください。