土偶と埴輪のちがい

土偶は縄文時代に、まじないやいのりのためにつくられた土の人形で、女性の形が多く見られます。埴輪は古墳時代に、古墳のまわりに並べられた焼き物で、人・馬・家・円筒などの形があります。つくられた時代がちがい、あいだに弥生時代がはさまります。
表でくらべる
| 土偶 | 埴輪 | |
|---|---|---|
| 時代 | 縄文 | 古墳 |
| 用途 | まじない・いのり | 古墳のまわりに並べる |
| 形 | 人(女性が多い) | 人・馬・家・円筒 |
見分けるときは、まず「時代」を見ます。土偶は縄文時代、埴輪は古墳時代のものです。どちらも土でつくった焼き物ですが、使い道がまったくちがいます。土偶はまじないやいのりの道具、埴輪は古墳のまわりに並べるためのものです。
つくられた時代を年表で見る
- 前13000年縄文土器がつくられ始める
- 前3000年土偶がつくられる
- 前300年米づくりが伝わり広まる
- 300年前方後円墳がつくられ始める
- 450年大仙古墳(仁徳天皇陵古墳)がつくられる
土偶がつくられた縄文時代と、埴輪がつくられた古墳時代のあいだには、米づくりが広まった弥生時代がはさまっています。土偶は狩りや採集でくらしていた時代のもの、埴輪は大和政権が各地の豪族をしたがえていった時代のものです。
土偶
土偶は、土でつくった人の形の焼き物です。女性の形が多く、食べ物がたくさんとれることや、けがや病気がなおることをいのる、まじないに使ったと考えられています。わざとこわしたものが多く見つかっています。
縄文時代の人々は、狩りや漁、木の実の採集でくらしていました。同じ時代のものには、縄目の模様の縄文土器や、食べたあとの貝がらを捨てた貝塚があります。
覚え方
土偶(縄文・いのり)と埴輪(古墳・古墳のまわり)を取りちがえない
埴輪
埴輪は、古墳のまわりに並べられた焼き物です。人・馬・家・円筒などの形があります。古墳は王や豪族の墓で、中には鏡や剣、まが玉などがおさめられました。
古墳時代には、前が四角く後ろが丸い、かぎ穴の形をした前方後円墳が各地につくられました。大阪府堺市の大仙古墳は日本最大の前方後円墳で、全長は約486メートルあります。前方後円墳が各地に広がったことは、大和政権の力の広がりを示しています。
覚え方
前が「方」(四角)、後ろが「円」(丸)。かぎ穴の形
それぞれの時代の遺跡とあわせて覚える
土偶と埴輪は、その時代の遺跡とセットで問われることがあります。縄文時代の遺跡では、大きなむらのあとが見つかった青森県の三内丸山遺跡と、アメリカ人のモースが発見した東京都の大森貝塚が代表です。
古墳時代では、日本最大の前方後円墳である大阪府の大仙古墳のほか、「ワカタケル大王」の名がきざまれた鉄剣が見つかった稲荷山古墳がよく出ます。このころ、朝鮮半島から移り住んだ渡来人が、漢字や仏教などの大陸の文化を伝えました。
時代ごとに「土でつくったもの」を整理する
原始の時代は、土でつくったものが時代の目印になります。土器と合わせて、時代ごとに整理しておきましょう。
時代と、土でつくったもの
- 旧石器時代土器も土偶もまだない(打製石器の時代)
- 縄文時代縄文土器(厚手・縄目の模様)と土偶(まじない・いのり)
- 弥生時代弥生土器(うすくてかたい・赤っぽい)
- 古墳時代埴輪(古墳のまわりに並べる)
入試のポイント
- 縄文時代。女性の形が多く、まじない・いのりに使った
- わざとこわしたものが多い
- 古墳時代の埴輪との区別が頻出
- 形は「前が四角・後ろが丸」。かぎ穴の形
- まわりに埴輪、中に鏡・剣・まが玉
- 各地に広がった=大和政権の力の広がり
よくあるまちがい
土偶と埴輪の時代を逆に覚える
土偶が縄文時代、埴輪が古墳時代です。「埴輪=古墳のまわり」とセットで覚えると、古墳時代だと思い出せます。
埴輪をいのりの道具だと考える
まじないやいのりに使ったと考えられているのは土偶です。埴輪は、古墳のまわりに並べるためにつくられました。
埴輪は人の形だけだと考える
埴輪には、人のほかに馬・家・円筒などの形があります。土偶は人の形で、女性の形が多いのが特ちょうです。
確認問題
答えを考えてから、問題をタップして答えと解説を確かめましょう。
Q1土偶と埴輪のうち、用途が『まじない・いのり』なのはどちらでしょう。
土偶
土偶の用途は『まじない・いのり』です。ほかは埴輪が『古墳のまわりに並べる』です。
Q2土偶と埴輪のうち、用途が『古墳のまわりに並べる』なのはどちらでしょう。
埴輪
埴輪の用途は『古墳のまわりに並べる』です。ほかは土偶が『まじない・いのり』です。
Q3土偶と埴輪のうち、形が『人(女性が多い)』なのはどちらでしょう。
土偶
土偶の形は『人(女性が多い)』です。ほかは埴輪が『人・馬・家・円筒』です。
Q4土偶と埴輪のうち、形が『人・馬・家・円筒』なのはどちらでしょう。
埴輪
埴輪の形は『人・馬・家・円筒』です。ほかは土偶が『人(女性が多い)』です。
つぎのステップ
年代と内容は、教科書・塾教材の記述にそろえた学習用のものです。異説がある年は、年表アプリの項目の中に記しています。まちがいを見つけたらお問い合わせから教えてください。